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KY考

更新日:2008/06/01
記入者:河本健吾

「空気が読めない」人をKYと呼ぶらしい

「空気が読めない」人をKYと呼ぶらしい。マスメディアや書籍でもKYについてひんぱんに取り上げられている。大半が「空気を読めない」人のショーケースめいたものと「空気を読む」ための方法やノウハウについて解説している。

個人的にはプライベートのコミュニケーションにおいてはたしかにKYの人には困った感じを抱く。しかし、ビジネスの現場、とくにコンサルティングやソリューションの営業現場においては、「空気が読めない」KYよりも『課題が読めない』KYのほうがより致命的ではないだろうか。

ソリューションやサービスは根本的には課題の解決にある。せっかくの素晴らしい課題解決策であっても、そもそもの課題の設定が間違っていれば的外れの全くの無駄でしかない。課題が違えば当然、解決策も違う。相手の抱えている課題は何なのか?まず、このことを正しく読み取らねばならない。風邪の人に胃薬を与えてもしようがないのだ。

いっぽう、風邪(課題)だから風邪薬(解決策)を提供すれば正解かというと、実はそうでもない。風邪薬の提供で相手が満足することもあるだろうが、風邪そのものも課題だが、実は風邪を引きやすい体質が真の課題であり、このことを発見してもらいたいのが相手の要望だったりもする。その場合の解決策は、食事改善・運動促進のアドバイスであり、風邪薬という解決策とはまた違ってくる。

表面的な既知のレベルで課題をすくいとることも最低限必要だが、相手も見えていないより本質的な未知のレベルで課題をすくいあげてこそ、真に課題が読めたといえるのではないだろうか。

課題を正しく読まないと、当然のことながら営業上では失注するし競合にも負ける。だから、相手の課題を正しく深く読まないといけないのだが、実は課題が正しく設定されている場合、解決策に頭を悩ませることもなくなるのである。

「実行した解決策が思ったような成果を上げなかった」。このようなことはあらゆる場で起っていることだと思う。経験的にしか言えないが、その失敗の原因はおおむね最初の課題設定のミスによるものがほとんどである。

課題が正しく設定されている場合、解決策はその課題導出過程において8割方が出来上がっている。解決策の立案に頭を悩ませる場合というのはたいがい課題があやふやであったり明確でなかったりする場合である。そのようなときは解決策の立案に力を費やすよりも、むしろ課題の導出に徹底的にウェイトを置くべきである。

よっぽどのビジネスマナー違反やトンチンカンな「空気読めない」発言はたしかに困る。しかし「空気を読む」ことよりも「課題を読む」ことのほうはるかに重要であり、もっと意識されるべきであると思う。

では、どうすれば課題を正しく読めるのか?また、課題を読む力を養うにはどうすればよいのか?長くなったので、この話はまた次回に。